平成29年度CPS認定試験における主任試験員講評

平成29年度CPS認定試験における主任試験員講評

平成29年7月15日・16日CPS認定試験における主任試験員講評

CPS試験を受験された皆さん、お疲れさまでした。
今回は9名が受験され、5名の方が合格されました。
受験者の全ての方が、試験に向けて入念に準備をしてきたことが分かるパフォーマンスでした。惜しくも合格を逃してしまった方は、今一度、ご自分の苦手な点を振り返り、重点的に練習して頂きたいと思います。合格者との差はほんの僅かです。自分が苦手に感じて、練習を避けてきた点(例えば「体験を丁寧に聴く」とか「メッセージを込めた要約」「症状説明」など)は、うつや惨事のカウンセリングでは、とても重要な点なのです。勉強会や講座の再受講を利用して、是非もう一度試験にチャレンジしてください!
以下に主任試験員として気づいたことをコメントしますので、参考にしてください。   MRインストラクター 戸上尚子
 
<メッセージコントロール>
メッセージコントロールの5ステップについては、受験者のどなたもが、繰り返し練習をされてきた様子が伝わってきました。特に「驚き」は、講座などでも繰り返しお伝えしていたので、どの方もタイミングを逃すこと無く、メッセージを出せていたと思います。一方で「疑問・保留」は、まだ使いこなせていない方が多かった印象です。
今回の試験は、冒頭にクライエントの「(今の自分は)みんなに迷惑をかけてしまっていると思うんです…」こんな発言で始まったと思います。ここでカウンセラーは、「ん?(不思議そうな顔)○○さんは、みんなに迷惑をかけているように思えているのですか?」などと、カウンセラーの態度を保留しないといけませんが、受験者の多くは、「(かるいうなずきと共に)うーん…」と「納得・了解」に聞こえる相槌を打っていました。些細なところではありますが、クライエントが自責や無力感を口にした時、カウンセラーがどのようなメッセージを返すかは、大事な点ですので、気を抜かずにいてください。
また、受験者全員に共通していたのは、「中要約が少ない」という点です。ポイント要約+促し質問は、自然な流れで出来ている方が多かったと思いますが、それだけで話を聴き進めていくと「聴いてはくれているが、分かってもらった感が薄い」印象をクライエントが持ちます。どのカウンセラーもクライエントが大変な思いをしたのは理解しているのですが、クライエントが体験したことの瞬間瞬間をとらえて、言葉にして返してみたり、複雑な感情を代弁したり、という作業(中要約)がないので、体験を聴く作業が非常に短い時間で終わってしまったり、どこか取り調べのような居心地の悪い空気感が漂ってしまったところも見られました。
中要約を入れながら聴き進めると、クライエントに「このカウンセラーは自分が言葉にしていない部分も分かってくれている」という安心感が生まれ、会話にもリズムが出てきます。是非「メッセージを込めた要約」を効果的に使って欲しいと思います。
 
<体験を聴くということ>
ほぼ全ての受験者が「クライエントの惨事体験を聴く」という作業を行なっていましたが、今回のクライエントは火事の現場そのものを見た訳ではありません。事故や事件を実際に目にした場合なら、その現場の見取り図を書きながら時系列で聴いていけばいい、というのは想像がつくところだと思いますが、今回はどうしたら良かったのでしょう?
講座で教えた典型例ではなかったため、戸惑った方もいたかもしれませんが、今回の事例なら「クライエントが今回の火事をどのような形で体験したのか」を丁寧に聴かせてもらうといいでしょう。直接目にした訳でなくとも、いつ火事の発生を知ったのか(五感の何で感じた?直接火を見た?何か音を聴いた?臭いは?等々)、知った時に周りにどれくらいの人がいて、その人達はどのような様子で、店側の人間として自分がどのような対応をしたのか、自分が出来たこと、出来なかったことがあったか?鎮火をどのように知って、その日帰宅した後はどうした?などを上にも書いた「メッセージを込めた要約」を入れながら、丁寧に聴いていくのです。
また、クライエントの話を聴き進める中で、クライエントの話を取り違えて聴いてしまうことを恐れる方がいます。自分が勘違いしていたと気づいた瞬間にプチパニックになっているカウンセラー(受験者)がいましたが、そんな時こそ基本に立ち返り「興味津々」で聴いて、相手がこちらの認識を正そうと説明してくれたことに大きく「納得・了解」のメッセージを返したらいいのです。「あぁ、そういう意味だったのですね。自分は○○かと思っていました。そういうことだったら、きっと○○だったでしょうね」のように返していけば、クライエントは「このカウンセラーは、私のことを本当に分かろうとしてくれる人だ」と認識してくれるでしょう。カウンセリングの中で、カウンセラーが常に正しくある必要はなく、相手を理解しようとする一連の関わり行動そのものが大事だと意識してください。
 
<症状説明>
症状説明の大原則は「カウンセラーが話したいこと」を説明するのではなく「クライエントが不安に思っていること」へのアンサーであることです。
今回のクライエントの症状については、惨事の反応の落ち着き方を示した曲線のグラフをメインに説明した方がほとんどでした。1週間前と比較して、症状が治まっているかを聴くなどして、クライエントに回復を実感してもらおうという狙いは良かったと思いますが、今回のクライエントは、なかなか症状が落ち着かず苦しさが続いているという設定になっていたと思います。このグラフでは「苦しさは期間限定だよ」を説明することは出来ても「苦しさには理由があるよ」を説明することは出来ません。クライエントの「なぜ?」に答えるには、別なツール(事例や比喩)を使う必要が出てきます。今回、事例や比喩を使って説明にチャレンジしたのは2名ほどだったと思います。
事例や比喩を使った説明は、皆さん苦手に思っているところだと思いますが、上手に出来るようになってくると、クライエントの納得感が全然違ってきます。逆に言えばこういったツールを使わない説明は、ややもすると説得調に聞こえがちです。事例や比喩を使った説明は練習をしないと決して上手くなりません。是非色々な仲間の事例や比喩を聴かせてもらって、アレンジ力を養っておきましょう。

平成29年12月2日・3日CPS認定試験における主任試験員講評

CPS試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。
今回は10名の方が受験され、7名の方が合格されました。
受験者の皆さんが、試験に向けて真摯に準備をしてこられたことが伝わるパフォーマンスでした。残念ながら今回不合格となった方も、基礎講座の頃と比較して、目を見張るほどの成長をされていて、合格された方との差はほんの僅かです。「あと少し」の部分をトレーニングすることで、必ず合格レベルに達しますので、諦めずにチャレンジしてほしいと思います。
合格された方も、結果に満足することなく協会の勉強会や講座でのクライアント役を通じて、さらなるステップアップをしていただきたいと思います。
以下に主任試験員として気づいたことをコメントします。   MRインストラクター 前田理香
 
<メッセージコントロール>
5ステップについては、ほとんどの方がご自身の苦手なところを丹念に修正されてきたことが伝わりました。特に「疑問・保留」に関しては、多くの方がCLの自分を責める発言に対し、しっかりと疑問・保留のメッセージを表現できていたと思います。
しかしながら、苦手部分の修正を意識するがあまり、これまでできていた「驚き」や「興味津々」が疎かになり、共感のメッセージが薄くなってしまった方がいました。特にCLの「私が研修を企画したから・・・」のような自責の言葉で大きく驚くと、「あなたはそんなことをしたの?!」という責めるメッセージになってしまいます。自責が隠れている箇所で大きく驚かないよう注意しましょう。
ほぼ全員に共通していたのは、要約が少ないという点です。冒頭では、CLが「事故を思い出して辛い」ですとか「あの事故が頭から離れない」といったことを話しましたが、ほとんどの方が、「事故のことが頭から離れなくて辛いんですね。」というようなCLの気持ちを要約(受け止め)することなく、体験を訊き始めました。「味方」になるためには、体験を聴く場面であってもCLの気持ちを大切に扱ってほしいと思います。
今回、緊張のせいか「CLの言葉をそのまま繰り返す」方が目立ちました。惨事のCLに対して言葉をそのままに繰り返すと、CLの苦しみを逆に大きくしてしまうことがあります。例えば、「頭が真っ白になってなにもできなくて」というCLに、「ええ、頭が真っ白になって何もできなかったんですね」と繰り返したらどうでしょう?CLは「何もできなかった私がいけないんだ」と、より自責を深くしてしまいます。緊張した状態でも「繰り返す癖」が出てこないよう、「盛った要約」や「代弁要約」を磨いていきましょう。
 
<体験を聴くということ>
受験者全員が、「CLの体験を丁寧に聴いていく」ということを意識しておられたと思います。中には、体験を聴く理由をCLに説明してから始める方がいて、CLへの配慮が感じられました。
ところで、何のために体験を聴くのでしょうか?
CLが(CLの視点を通して)感じた情景・音・臭い・感触などの体験を教えてもらうことで、CLの苦しさの背景を理解し、共感するために体験を丁寧に聴くのです。
そのためには、どの範囲を聴けばいいのでしょうか?
今回、ほとんどの方が事故当日の話だけを聴いて、「惨事反応が治まってない」と知るや否や事故以前のうつ体験や同様の惨事体験を確認していました。事故以前のことを聴くこと自体は間違いではないのですが、限られた時間の中では、聴く順番に注意が必要になります。
CLが事故のあった日からこれまでどう過ごしてきたのか、事故後の対応で業務量はどれくらい増えたのか(疲労感)、事情聴取や会社への報告でどんなことを言われたのか(自責感、無力感、不安感)、Bさんの容態やご家族の状況・今後の見通しはどうなのか(自責感、無力感、不安感)など、痛いところが隠れていそうな場所がたくさんあります。
体験を聴く時は、まず当日から今日までを丁寧に聴いたうえで、必要があればそれ以前を聴いていくとよいでしょう。
図を描く作業自体もメッセージを発信します。予想が外れて縮尺が違ってしまい、書き直した方がいましたが、CLの説明(体験)を大切に扱っているということが伝わりました。
中には、手元ばかりを見ていてCLを見ていなかったり、図が小さくてCLから見にくかったりといった方もいました。図を描くことはCLとCOの共同作業ですので、CLの顔を見て表情を確認しながら「一緒に作り上げていく」ことを意識しましょう。
 
<自責の扱い方>
CLが話をする中で多くの自責が語られ、それに対しほとんどの方は疑問・保留で対応されていました。それも間違いではないのですが、せっかくCLの自責をゆるめることができるかもしれないチャンスを逃してしまっています。自責の苦しさはしっかり受け取りましょう。「私はあなたを責めない。責めているあなたも変わらなくていいよ。でも苦しいよね。」というメッセージを、盛った要約で返してあげるのが一番です。そしてそのあとは、自責のテーマにとどまり続けずに、話題を変えてあげるのも、カウンセラーの配慮です。
中には、「自責を軽くしてあげたい」と思うがあまり、「私はあなたに責任があるようには思いませんが」と何度も繰り返し「変われ」メッセージになってしまう方もいました。
自責は0にする必要はありません。配慮しながら触れ、寄り添うことが重要だということを覚えておいてください。
 
<症状説明>
今回の試験では、原始人の比喩、ボールの比喩、オリジナルの比喩などで説明を試みていましたが、CLの症状とのつながりが分かりにくく、CLが戸惑っている様子が見受けられました。また、そのCLの戸惑いに動揺し、分かってもらおうと強引に説明を続けるケースもありました。
自分では納得できる比喩でも、言葉で説明した際に、他の人が理解できなければ意味がありません。比喩を思いついたら、事前に第3者に聞いてもらい、相手に伝わりやすいものに仕上げていきましょう。
また、比喩よりも、事例の方が強力です。ぜひ事例を用いて説明できるように準備してみてください。

平成29年12月9日CPS認定試験 仙台における主任試験員講評

今年度(29年度)仙台市にて、メンタルレスキュー協会主催の初の地方での基礎講座3講座を実施することができました。
受講者の多くは6年前の震災を体験し、色々な思いで生活や支援をしてこられた方々です。どんな些細なことでも自分の活動に役立てたいという思いが、講座中にもひしひしと伝わってきました。講座で学んだことはすぐに実生活の中でチャレンジし、次の講座では、その体験を受講者同士でシェアしていました。さらに3講座が終わった後も、MRIが中心となり勉強会を立ち上げ、今回の認定試験に臨んでくれたようです。そのような皆さんの熱意と努力が表れたCPS認定試験だったと思います。
皆さんの実力はロールプレイだけでなく、試験の質疑応答の際の回答にも表れていました。ご自身のMCがどうだったのか、どうしてあのような要約質問をしたのか、ある局面で自分がどう考え次の展開を考えたのか、残りの30分をどう使いたいか…などの質疑応答の中でも、自分のパフォーマンスを客観的に把握していることや、基礎講座の内容を正しく理解していることが、試験員にもしっかり伝わってきました。
今回は、6名中6名の全員合格です。良かったところがとても多かった認定試験でした。さらに上を目指していただくために、良かった点・改善点をいくつか記載したいと思います。   MRシニアインストラクター 小野田奈美
 
1.メッセージコントロールについて
【良かった点】
体験を伺うところは5ステップを使い、「それからどうしたの?」「それは苦しかったね。」「そんなことがあったの、それは大事だったね。」というMが相手の話のトーンに合わせた表情・うなずきによって上手に表現されていました。うなずいているときも声の出し方を工夫していました。力強く「うん」というところがあったり、小さく「はい」「ええ」と返すなど、バリエーションがとても多かったです。自責が出たところは「あ~、う~(息が洩れながら少し苦しそうに)、(間)そんな風に思うんですね」と、クライエントの気持ちもわかりながら、こちらはそう思ってないですよ…というMが伝わりやすい応答でした。そして、カウンセラーの応答の声は相手にしっかり届くような大きな声でした。
また、要約をすることも忘れていませんでした。要約をすることでクライエントに、ここまでは理解してくれているんだ…ということが伝わり、味方感が増しそれが安心感につながっていました。要約をしようとするとしっかり聴かなくてはと思うので、やはり姿勢も前のめりになっていきます。その姿が興味津々に繋がったり、真剣さが伝わったりしていくのだと思いました。そのうえで「そんな大変な中、ちゃんと救急車を呼ぶ指示はできたのですね」とできたことを伝え返す。しっかりしたMCがあるからこそ、クライエントも受け取りやすくなり、多少のがけ崩れがあったとしても十分カバーできることも改めてわかりました。
【改善点】
驚きが少し薄かったです
バイクに跳ね飛ばされた、頭から血が・・・という出来事については、驚くことで今回の出来事は大ごとな体験ですねと言うことが伝わっていきます(基礎メッセージ)。出来事に対してはしっかり驚いてください。
 
2.体験の聴き方について
【良かった点】
今回の試験はCLから口火を切りました。その時に心情が語られることもあります。ショックな出来事があったとわかっていますので、心情を受け止めながらも、どこかで体験を聴くことを始めたいものです。そういう時に、CLにどうして体験を伺うのかという背景を説明する方が多くいらっしゃいました。とても有効な進め方だと思います。
例えば、心情を受け止めた後、「よりよく理解したいので、Aさんの体験したことを具体的に聞いていきます。というのもこのようなショックの後は、出来事や気持ちがゴチャゴチャになったままになっていることが多いからです。細かいところまでお聞きすると、出来事を整理して理解できるようになります。またその中で様々な苦しさを一緒に振り返っていければと思います。」と説明されていました。受験者の中には、言葉を選びながらのたどたどしい感じの説明になったことを悔やんでいた方もいらっしゃいましたが、すらすらと説明するより、むしろ自分のことを大事に扱ってもらっているなということがクライアントに伝わったと思います。
また、基礎講座では「聴く範囲と焦点/範囲始め:自責等の痛いところが隠れている箇所」と学習しました。今回のクライアントは研修を企画する部署の方です。自責が隠れていることが予想されました。ほぼ全員の方が、企画段階の話に触れていらっしゃいました。
また、事故のことを一緒に図に書きながら時系列に伺っていました。
【改善点】
体験を聞く目的を再度確認してください。惨事の後は回避によって、クライアントの中で過剰な自責、無力感、不安感が増殖しがちです。時系列で細かく話をすることで、それを予防できる可能性があるのです。
また、ショックな出来事について私たちは、しばらくしてからそれを何度か思い出しながら、自分の心の中で整理していきます。ただそのショックがあまりにも大きい出来事の話は、その思い出しにかなりの苦痛が伴います。日常の中で少し会話に出てくるだけでもクライアントは当時の様子や感情をリアルに頭の中で再体験することになります。しかも、それを一人で味わうのです。
辛い心の整理だからこそ、カウンセラーと一緒に再体験してもらうのです。
カウンセリングで体験を聞きはじめたら、しっかり勇気をもって細部まで、最後まで聞きましょう。途中でカウンセラーの方がひるんではいけません。クライエントを再び孤独にしないようにしてください。
 
3.症状が表出されたとき
【良かった点】
体験を伺っている途中で、例えば「バイクの音を聞くとドキドキしてしまうんです。自分が壊れてしまったのでしょうか?」と言われたとき、すぐに症状の説明に入らず、まず「それは、おつらいですね」と、クライアントの苦しさを受け取ったうえで、「では、どうしてそうなるのかを先に説明しますね」とカウンセリングの進め方の変更を説明してから、症状の説明に移っていました。
また、自責についてクライエントが語り始めると、一旦受け止める、もしくは要約するぐらいにとどめ、これらは反応なので期間限定ですよ、とお伝えしていました。
 
4.症状説明について
【良かった点】
基礎講座でお伝えした「症状」を正しく理解していることが、説明を通して伝わってきました。
説明には、ファーストショック・セカンドショックで説明する方、事例を使って説明する方、7つの無力感で説明をする方、組併せて説明をする方、がいらっしゃいましたが、皆さん上手にCLに届くように説明していらっしゃいました。
今まだバイクの音にびくびくするという症状が訴えられた場合、ファーストショックはじきに終わるということを説明しなければなりません。講座では、ファーストショックが落ち着いてくるのは約1ケ月後と説明していたと思います。ところが、今回の面接は事故から3週間目という設定です。この時期に「後1週間で落ち着きますよ」と言ってしまうのはいかがでしょうか?
無理がありそうですよね。しかし案外習った通り言ってしまい「1週間で終わるわけはない、私は重篤なんだ」とクライアントを不安にさせてしまう方が多いのです。今回の皆さんは臨機応変に「ここから後1ケ月様子を見てください」とか「2ケ月ぐらいかかりますよ」と変更してお伝えしていました。素晴らしかったと思います。
そして、今回のクライエントは、うつ症状が見え隠れする方です。そこをうつ症状で説明するかファーストショックなので「観察しておけば良い」と説明するのかクライエントの様子を伺いながらバランスをとることもできていました(振り返りの中や質疑応答の中でも確認できました)。
【改善点】
惨事症状の説明はしているものの、やや内容が薄く、クライエントにしっかり安心してもらうところまでには至らなかったような気がします(MCでカバーできてはいました)。もっと事例・比喩の引き出しを作っておいてください。そしてそれを何度も口に出して、こなれた内容にしてください。こちらはトレーニングあるのみです。
そして、事故の当初から比べると、現在の反応(強度、頻度等)が低下していることを、クライアントと一緒に振り返ってみてください。クライエントは渦中の人です。そのことに気づいてないことが多いのです。たとえ些細な変化でも、このことに気が付いてもらうのは、有力な無力感対策になります。専門家の私たちだからできる重要な支援です。
何はともあれ、私としても、改めてMCの大切さを理解することができた貴重な体験でした。
そして、合格された皆さんには是非、上級講座(個人)(組織)とも受講していただきたいと思います。上級のスキルを身に着ければ、さらに支援の引きだしが増えていくと思います。