平成29年度MRI認定試験における主任試験員講評

平成29年度MRI認定試験における主任試験員講評

平成29年07月23日MRI認定試験における主任試験員講評

今回の試験について下園主任試験員より講評をいただきました。皆さんの今後の参考になさってください。   2017.07.24 認定委員会
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今回は、3名の方が挑戦していただきました。皆さんよく準備し、実力を上げて試験に臨んでくださいました。以下、主任試験員として気が付いたことをお伝えします。   MRSI 下園壮太
 
1.介入目的調整面接
(ア)状況の特性をしっかり把握しよう
前回の講評でもお伝えしている点ですが、状況の特徴を、大まかにでも、本質をついて把握する必要があります。ただ、事前の情報で推測できる部分と、話を聞くまでわからない情報があるので、決め打ちはいけません。白紙的に想像はしておきそこに焦点は当てるものの、実際の面接ではしっかりと相手の話を聞いて、理解を深めていくという態度です。
今回のケースなら、自殺、職場内、自傷行為の痕跡、対象は高学歴、若者が多い、男性が多いという大まかな特性を把握し、どのような対象が、どのようなショック・反応で苦しんでいるかを想像しておきます。クライアントはこんな状態であろう、こういうことにはこういうケア、この症状にはこういう手段で苦しみを低下できる…という白紙的な予想を持つ。そして、それに縛られずに、その状況を介入目的調整面接の相手に確認していく。柔軟に対応できるように、自分の心を常に冷静にしておく必要があります。
 
(イ)「味方になる」を忘れない
受験者の中には、ポイントはよく理解しているが、説明の際に「事務的」な印象が強く出すぎている方もいらっしゃいました。日ごとのコミュニケーションは、とてもフレンドリーなのに、「説明しなきゃ!」と思うと、どうしてもテキパキとしてしまいます。
しかし、相手もクライシスの心理状態にあることも多いので、まずは「味方になる」ことが重要です。MCを十分に発揮するとともに、「大変な事実認識」を共有するというところをしっかりやると、あとの説明が楽になります。
 
2.基礎講座講師
(ア)内容をもう少し深く理解しよう
これも、前回の講評でお伝えした内容です。
<div一つ一つのスライドを説明することはできるのですが、そのスライドが、全体でどのよう役割を持っているのか、前後のスライドとの関連はどうなのかを、もっと理解するといいでしょう。そうでないと、聞いている方には一貫したストーリーとして伝わっていきません。つまり、理解しにくくなるのです。
実技指導者、クライアント役などの場を活用して、基礎講座の内容をさらに復習する際にも、講師の、そのようなつなぎの説明に注目して、技を盗みましょう。
 
(イ)事例と比喩
これまた、前回にも指摘しているポイントです。
介入目的調整面接でもそうですが、事例が少ないし、事例の使い方がこなれていません。講義を準備する、介入目的調整面接を準備する、ということは=事例を準備する、ということだと理解してください。
惨事後ミーティングという、クライアント側にとって初めてのツールを説明にするには、いくら効用を羅列しても、イメージが付きにくく、「わからない」ということが逆に不安を高めます。私たちの経験で、こういう事例で、こういう症状があった。こういうミーティングを開いたところ、こういう発言があり、それによってで、こういうクライアントが救われ、こんな効果があった。このような具体的事例で流れを説明すれば、相手は非常に理解しやすくなりますし、たとえ十分理解できなくても、どこを質問すればいいかがわかり、キャッチボールが始まります。
MRIレベル、UCPCレベルでは、「事例が使えないと合格はしない」。それぐらいのつもりで臨んでいただきたいと思います。

平成29年12月9日MRI認定試験における主任試験員講評

今回の試験について下園主任試験員より講評をいただきました。皆さんの今後の参考になさってください。   2017.12.09 認定部
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今回は、1名の方が挑戦していただきました。よって、全体講評としてはありません。
いつもながらよく準備し、実力を上げて試験に臨んでくださいました。   MRSI 下園壮太