2020年度(令和2年度)MRI認定試験における主任試験員講評

2020年度(令和2年度)MRI認定試験における主任試験員講評

2021年3月6日・7日MRI認定試験における主任試験員講評

今回の試験について下園主任試験員より講評をいただきました。皆さんの今後の参考になさってください。   2021.03.08 認定部
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今回も皆さんが熱心にトレーニングをして、とても高いパフォーマンスを見せてくれたことに主任試験員として満足しています。以下、今後の参考となるようなことをまとめます。

MRSI 下園壮太

     
1.支援目的調整面接
 MRCの試験でも支援目的挑戦面接が科目にありますが、MRCの場合は目的意識をある程度持ち、なんとかツールの説明ができるというレベルが合格レベルです。
 ところがMRIの支援目的調整面接では説明ができるだけでは十分ではありません。いわゆる場の状況に応じて柔軟に対応し、相手に短期間で信頼を得つつ、必要な情報提供若しくは調整ができなければならないのです。
今回の受験者はツールの説明、はある程度出来ているようでした。
 また、体験を聞くことや、その症状を説明することなども上手いようです。つまり、これまでCPS、MRC、UCPCで勉強してきた内容は、十分に習得している様子が見てとれました。 足りないのは現場に合わせる力です。現場に行くと、その企業の特性、相手の特性(性格、ダメージ度、忙しさ、メンタルヘルスに関する知識・関心など)があり、それに合わせて、信頼を得なければなりません。 それは結局、原点に戻るようですが、味方になる力ということなのです。
 相手の表面的な疑問に、すぐ論理的な説明で返すだけでは、相手の心を掴むことは難しいのです。
 今回の支援目的調整面接のお相手は蓋を開けてみたら、お二人とも、かなり惨事を直接体験されているクライエントでした。このように実際会ってみて初めて「場」の要素が、明らかになるのが現場です。その現場に対応する力がMRIに求められます。  

2.基礎講座講師
リモート環境における講義については、皆ある程度習熟している。
 基礎講座の内容の理解、事例や比喩の使い方、メッセージコントロールを使いながら上手に受講者と交流を取り、受講者へしやすい雰囲気を作る配慮、などは十分にできていると思います。
 特にデジタル技術を駆使して、まるで現場にいるような感覚で授業を進めることができた受講者がいたことは、試験員としても驚くぐらいでした。
 今後もリモートによる講座が主流になることを考えれば、MRIを目指す人はある程度、やはりデジタル技術にも精通しておくことが必要なのかもしれません。

*今後の勉強の仕方*
 講座のトレーニングは体験会などを通じて数回実施しているので、その分上手くなっているようです。またお手本となるビデオもあるし、自分の姿を動画等で撮ることもできるので、フィードバックをきちんと生かしたスキルの積み上げも容易です。
 それに比べて支援目的調整面接はトレーニングが難しい。今回の合格者は、協会が実施する組織支援(合宿形式)に2回支援チームのメーンバーとして参加されたり、前回の受験以降、メンタルレスキュー協会の介入にMRSIと同席しています。介入現場の全体像を実際に体験することによって、現場のクライアントの心情(リスク、ニーズ、辛さ)や現場で支援を進める時にどのようなことに配慮しなければならないかということが想像しやすくなったのでしょう。
 MRIを目指す方々は、是非チャンスを捉えて現場経験を積むことをオススメします。
 また、講座講師に比べて練習の機会が圧倒的に少ないということを考えれば、個人的に先輩MRIに面接の手ほどきを受けるとか、組織もしくは組織上級の講座の実技指導者として参加し、いろんな「場」の要素を考えながら、自分ならどうすると考察し続ける…などが有効な、トレーニング方法だと考えられます。
 とにかく練習しないと、考えてるだけでは上手くならないのがこの分野の特性です。今回十分なパフォーマンスがあげられなかったという人も、自分の能力や知識と考えるより、単に練習不足と考えて、引き続きトレーニングを続けていただきたいと思います。

2020年度(令和2年度)9月27日MRI認定試験は、中止になりました

今回の試験について、コロナの影響もあり、受験者申込なしとして中止となりました。   2020.9.27 認定部
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