2021年度(令和3年度)UCPC認定試験における主任試験員講評

2021年度(令和3年度)UCPC認定試験における主任試験員講評

令和3年7月31日・8月1日(オンライン)UCPC認定試験における主任試験員講評

認定試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。今回もオンライン試験でした。そこも踏まえて主任試験員講評をHPに掲載しました。『CPS認定試験』『UCPC認定試験』は相通じる部分がありますので、双方の講評を参考にされて、今後の研鑽にご活用ください。

令和3年8月 認定部
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全般

現場で実力のある上級カウンセラーを認定するUCPC試験にふさわしい、レベルの高い試験になりました。 全体的には、リモートでのカウンセリングでのMCの技術、経緯表などを使った状況把握などの基本は、多くの受験者が合格レベルにありました。 ただ、戦略的なカウンセリングの進め方と、説明力についてはまだ不十分な受験者が多かったようです。その2点についてアドバイスします。
主任試験員 MRSI 下園壮太

 

1.目的意識を持ち、パターン対応に陥らない

基礎講座では、パターンを練習しました。
上級講座では、そのパターンをどう使うか、どのタイミングで、どんなスキルを選択し、どういうアレンジで使うかを考えます。その選択やアレンジは、目的によって変わります。 ただ、多くの人が、目的をあまり意識せず、パターンをそのまま使っていました。
クライアントは、「今日何を求めてカウンセリングを訪れたか。クライアントの苦しみに対して、今日のカウンセリングで何をすることが一番の貢献になるか」を、バリア病で情報収集しながら、選択していくのが戦略的カウンセリングです。 例えば、説明は「相手にどうさせたいのか、そのために何を理解させたいのか」という目標→手段の流れがないと、状況に合わないパターン化した説明になってしまいます。 ただ、バリア病やカウンセリング目標というスキルも、教育の都合上パターンで伝えているので、ここでは、今回のケースに沿って、もう少し具体的に解説してみます。
 
1-1.クライアントの状態をきちんと把握する
前半が終わる段階では、クライアントの過去の仕事の大変さの話が主体になっていました。前半としては味方を強める時間帯なので、この話題の選択は当然です。しかし、それを見ていた受験者は、主訴であり当初語られた「ニュースを見てから死にたくなった」という出来事についての意識が薄れてしまった方が多かったように思います。それぐらいのこと…と感じたかもしれません。
しかし、過去の経緯を見ても症状を聞いても、うつ状態が2段階(下)から3段階にあることは、明らかです。ならば、希死念慮についてその強度、頻度、継続時間、個人なりの対応に等をきちんと確認しておくべきです。ましてや、主訴でもあります。
受験者の中には、この希死念慮のリスクを軽く見過ぎていた方が多かったように感じました。
また、前半では過去のことに焦点が当たっていたため、リリース以降の仕事や症状の変化までフォローできていません。死にたい気持ちをはじめ「今」の状況もきちんと確認するべきです。
 
1-2.情報収集・話題の選定
今回のケースでは、前半30分が終わった時点で、「このクライアントには、うつ対処をしていかなければならない」ということが明確になってきています。あと20分で、クライアントに光を感じてもらうには、うつの状態の説明と、対処法の説明、出来ること探しに進みたい。一番大きな、効果的な「出来ること」とは、休むことです。ならば、後半のできるだけ早い時期に、クライアントの今後の仕事量、会社の状況、雰囲気、休むこと、仕事を受けないこと、他者に頼ることへの本人の意向を確認するべきです。受験者の中には、あと5分ということろで、休むことについての具体的な検討に入る方がおおかったようです。「休め」とアドバイスすればそれで終わりではありません。うつの対処は本人にとっては大変難しい選択であることが多い。その部分を丁寧にサポートしていくための情報収集、時間管理が必要です。
また、受験者の中には、後半が開始後、前半の30分の内容を経緯表を使った大要約で繰り返すのに10分~15分費やしてしまった方もいました。傾聴し味方になるのは必要です。苦しい話はクライアントも喜んで話してくれます。しかし、それだけでは、最大限の効果を提供する戦略的カウンセリングとは言えません。前半部分の話を聞く意味(目的)をきちんと意識しなおすべきです。
また、今回の出来事を惨事ととらえ、図を描こうとした方もいらっしゃいました。 うつっぽく、死にたい気持ちで来訪してきたクライアントさんに対し、あと残り20分のZOOMによるカウンセリングで、図を描くことで何の効果を期待するのかを考えなければなりません。交通事故のように図を描くことで、共感的な理解が深まり、自責感・無力感へのケアを期待できる場合なら、あえて20分をそこに費やしてもいいでしょう。目的を意識しての話題選定です。ところが今回は、ネットニュースを見て通勤中の2階建て歩道橋から下を見るのが怖くなったという内容。これなら、あえて地図を描く必要はなく、口頭や身振り手振りでの再現による共感で十分です。

 
1-3.3段階の説明
多くの人が経緯表を使い3段階の説明をしようとしていました。
ただ、何のために3段階を使うのか。ただ、うつになっているということを伝えたければ、うつの症状を提示して、うつです。と言えばいい。
今回の場合、ピークは過ぎたのにさらに苦しくなっている状態を「荷下ろし」で説明し、単にニュースを見ただけなのに大きな衝撃を受けていることを「3段階の状態で受けた3倍のショック」で説明し、無力感対策をするため(目標)に、3段階の図を説明するのが適当な状況です。
そのためには、3段階の図をつかう説明の中で、2段階・3段階では2倍3倍のショック、2段階では表面飾りがあること、荷下ろしのメカニズム、このままの仕事をすれば遅発疲労の恐れがあることなどを説明するべきです。どのクライアントに対しても、ただ、3段階の図を描けばそれでOKというわけではありません。

 
1-4.主訴を忘れてしまう
説明をしていると、説明することに集中してしまい、本来のクライアントの主訴やバリア病で確認していた事項を忘れてしまったり、曇ってくるクライアントの反応にも注目できていない人がいました。
例えば、3段階の説明をした人は、休むこと、相談することなどのパターンの解決策を押すことに夢中になりがちでした。ニュースに対するFSの説明をした人は「1か月で良くなりますから、大丈夫、観察しておいてください」という説明を伝えていました。
いずれも、説明→対処法の形で練習したパターンです。
今回のクライアントの主訴(死にたくなった、眠れなくて苦しい)に対し、疲労の説明と休むだけを説明し、2週間後のカウンセリング予約で終了してしまうと、クライアントは、その間どう苦しみに対処するのでしょうか。
また説明の際などに出てきた新たな情報(ex:薬を使いたくない、夏休み休暇がもらえる…)は継続的にチェックできていなければなりません。それに対応し、カウンセリング目標・クライアント目標を柔軟に変更していきます。その際、クライアントの気持ちまで先読みしすぎる人もいました。
 
1-5.先が読めると失敗しやすい
勘のいい受験者は、前半を聞いただけで、このクライアントにはこういう説明をして、こういう提案をすればいい、と気が付いてしまうことがあります。しかしそんな時こそ要注意なのです。カウンセラーが心の中で想像するクライアントと現実のクライアントが一致しているとは限りません。むしろ、カウンセリングの経験を積めば積むほど、「え、クライアントさん、そう考えるの!」と驚く場面が多いことをわかってきます。
クライアントがどう感じるか、どう考えるかを先読みしすぎてはいけません。
「あなた(クライアント)の状態は、専門家の私にはこう見える。白紙的にはこういう対処法がある。ただ、あなたの事情もあるだろう。あなたは、どう進みたい?あなたの事情を汲んだ上で、あなたができることを一緒に探していこう」という流れが必要です。
今回の事例でも、クライアントの事情・心情を先読みしすぎ、「休めないですよね」という前提で進めると、それは「休もうなんて思ってはいけません」という裏Mになりかねなません。
カウンセラーは、共感する時ある程度理解力、先読み力が必要です。でも行き過ぎてはいけないのです。全てを読もうとせず、特に提案の段階では「聞いてみないとわからない」というスタンスを持つべきです。
 

2.説明力不足

説明は、現場では大変有効なツールであるにもかかわらず、一般的なカウンセリングのトレーニングの中では、ほとんど鍛えてきていません。
メンタルレスキュー協会での練習が、説明力のすべてと言ってもいいでしょう。受験者全般に、まだ説明力の足りなさを感じました。
 
2-1.相手に伝わる論法(相手理論、単純理論)
カウンセリング現場での説明は、単純でかつ飛躍のない論理(単純理論)で進むべきです。8月のオリンピックは暑い。コロナもありマスクを外せないと熱中症になりやすい。だからオリンピック観戦はやめたがいい。これは単純論理です。ところがもし、「オリンピック観戦は熱中症になるからやめた方がいい」とだけ言われると、いろんな疑問符が付き、従いたくなくなります。
死にたい気持ちを持つクライアントへの説明なら、

①死にたい気持ちはうつ状態の一症状として出ることが多い
②現代人のうつ状態はライフイベントなのによる蓄積疲労によることが多い
③あなたは疲労が蓄積している
④だからあなたの死にたい気持ちは、疲労に対処すれば軽くなる

という論理の流れが必要です。単純理論の一例です。
この①、②、③、④をきちんと説明し、それを経緯表や事例(少なくとも④)で補強して初めて、「そうなんだ、休めば、この苦しい気持ちから解放されるんだ」と思ってもらえます。
試験では、死にたい気持ちを何とかしたいクライアントに対し、経緯表を使い、「だからあなたは疲れている」「疲れているから休みましょう」という説明だけになってしまっている人が多かったようです。
今回のクライアントの場合、疲れているのはクライアントもある程度実感しています。休むこともある程度同意しています。しかしそのことで、この死にたい気持ちの苦しみから脱出できるかどうかが理解できないまま、カウンセリングが進んでしまっていました。
これでは、相手理論(相手に理解してもらえる理論)ではなく、単に自分がパターンとして習得したもの(自分理論)を提示しただけで、まだまだ上級とは言えません。
では、この説明力を上げるにはどうしたらいいでしょうか。メンタルレスキュー協会では、ロールプレイを多用し、説明の練習をしていますが、実はこれだけでは不十分です。というのも、協会のメンバーは良く学習しているので、先の①から④の流れをクライアント役も理解してしまっているので、たとえカウンセラー役の説明が論理的でなく、事例もなく説得力に欠けても、そのまま進んでしまうからです。
ぜひ、協会の理論を知らない人に説明する練習をし、本物の説明力を鍛えてください。
 
2-2.事例での説明がない
説明力を上げるには、事例、比喩、単純理論(そのほかにも「竹でヒレ…」があるが)が重要です。前項で、単純理論の重要性について触れましたが、多くの受験者は、理論と比喩(例えば電池の比喩)だけの説明で、一番強力な「事例」を使用できていませんでした。
試験の「場(残り20分のカウンセリング)」では、説明のために多くの時間をとれません。このような時間がない時ほど、一番強力な説得力を持つ「事例」で説明できるように準備、練習しておくべきです。
 
2-3.表面的な言葉に気を取られ過ぎ
例えば、3段階の表の縦軸の要素は、エネルギー、元気度、疲労度などといろんな表現ができます。どの言葉が正しいか悩んでしまうかもしれません。
学術の説明ではなく、「休まなければならない」とクライアントに思ってもらうことが目的なので、その目的のほうに進むのであれば、どの言葉を使ってもいいのです。実際には、ある言葉を使ってみて、それがクライアントにこちらの意図する方向で理解されるのかどうかを確認しながら、適切な表現を探していきます。
「正しい表現」というトラップに引っかかってはいけません。「正しい表現」は場(クライアント)によって違うのです。それを探し出しながら進めるのが上級のスキルです。 そして、カウンセラーが言葉で悩んで色々言葉を変えて表現してしまうと、クライアントもどうとらえて良いか悩んでしまいます。  

令和3年12月11日・12月12日(オンライン)UCPC認定試験における主任試験員講評

認定試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。今回は受験者の方より、事前トレーニングをしてほしいという声が多くあり、試験に向けての事前トレーニングを実施いたしました。少しでも上手にクライエントの支援ができるようにと励んでいたのがとても印象に残りました。その皆さんのプロセスはとても大事だと思っています。試験が終了し、今回も、主任試験員の講評をHPに掲載しました。講評自体もお伝えする内容のレベルが上がってきているような気がします。それは受験者の皆さんがとてもレベルが上がっているからだと実感しております。『CPS認定試験』『UCPC認定試験』は相通じる部分がありますので、双方の講評を参考にされて、今後の研鑽にご活用ください。
令和3年12月 認定部
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毎年UCPCに臨む方々のレベルの伸びには、驚かされます。何度か不合格であった方が、「化ける」ぐらいに変化して、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくださると、伝え、試験する側としても本当にうれしくなります。
残念ながら不合格だった方々、試験に落ちるのは大変つらいものです。しかし試験員の目から見ると、設定してある高い合格レベルにまだ届いていない、というだけで、皆さん、本当に着実に、トレーニングに応じて順調に、伸びていらっしゃいます。
メンタルレスキュー協会の試験は、単なる学習や練習では気づけない自分のスキルの癖、考え方の癖に気が付くとても貴重なチャンスです。
引き続き、楽しみながら努力を継続してほしいと思います。
主任試験員 MRSI 下園壮太

 
1.3段階の説明が不十分
多くの人が3段階で説明したのですが、今回のシチュエーションに応じた説明が出来てる人は少なかったように思います。 今回のクライアントは2段階でまだ自分の疲労を十分に理解していません。 そういう状況の中で、知人の死という惨事に出会ったので、非常にショックが大きかった訳です。2段階の、ショックが2倍、表面飾りができる、という特徴をきちんと説明すれば、かなり納得してもらえるケースです。ショックが2倍と表面飾りは、出来れば事例で説明したいところです。 疲労状況を正しく理解してもらうには、この3段階を正しく説明したうえで、経緯表を使うことが有効です。 ところが多くの人は残念ながら経緯表を、「こういう出来事が混んでいますね」ということと、波線を使って「こんなに疲れていますよ」を伝える説明だけで終わらせてしまっていました。2倍のショック・疲労感・負担感や、表面飾り、ミスの多発、イライラ感などうつ的思考、の2段階の特徴での説明が欠けていたのです。 ツールを練習する時には、何回もやって慣れておくことはとても重要なことなのですが、1回1回の練習において漫然と使うのではなく、何を目的にするかということをもう少し真剣に意識しながら練習してほしいと思います。

2.無意識目標で話題を避けていないか
今回のクライアントは、知人の死の第1発見になったという惨事を経験していらっしゃいます。 早い段階でそのことに対する自責が大変強いことも表明していらっしゃいます。知人は難病を患っていたということも分かりました。 この時点で、支援者としては、知人がどういうことで亡くなったのかということに意識と疑問が向かなければなりません。自殺の可能性が考えられるからです。自殺であれば、病死よりも、クライアントの自責は数倍にも大きくなります、リスクが大変高くなるのです。私が現場にいたら、まずは確認するこの情報を、ほとんどの受験者がスルーしてしまっていました。おそらく無意識のうちになんとなく聞きにくいと思っているからだと思います。カウンセリングはスキルを勉強するのではなく、このような自分の中の無意識を修正していくことでうまくなる部分が大きいのです。その意味でどうして今回自分が自殺という認識を持てなかったのか、あるいは持てていてもそのことを確認できなかったのかを深刻に振り返ってみてください。

3.カウンセリング目標を明確にして進める
残り20分で何の話題を選択し(何を捨て)、何を説明し、どのように終結をするか、つまり、カウンセリング目標をどのようにしていくかということは大変重要な作業です。カウンセリング目標なく漫然として進めてしまうと、多くの場合、収拾がつかなくなって、話の途中で時間切れの状態になってしまいます。 今回の場合は、クライアントが惨事と、オーバーワークによるうつが生じているというケースです。残り20分で両方にケアすることは難しいかもしれません。その場合はどちらがより有効かを選択し、かじを切り、残りのテーマは次回に回すという話題の進め方をするべきでしょう。 もしクライアントの主訴である、「整理したい、話したい」ということを重視し、罪悪感に焦点を与えるのなら、罪悪感にかかわる事象をもう少し詳しくしっかり聞いて、それは大変だねというメッセージを出していくことを考えます。自責を感じないでいいよというメッセージは出しすぎないようにしなければなりません。変われメッセージになってしまいます。 一方で、この方は惨事からすでに2ヶ月経っており、当面の問題は今の仕事に対する負担感であり、SEさんでもあることから、現在の疲労に関する合理的な説明をすることが最も効果が高いと判断した場合は、3段階と経緯表の解説をきちんと提供したい。その説明のための時間を取るべきでしょう。この場合も、ではどうすればいいかという、できること探しには時間が取れないかもしれません。それは次回に持ち越しましょう。 このように自分のカウンセリングをどのように進めるかということ、つまり時々のカウンセリング目標を、カウンセラーがある程度主体的にイメージしながらカウンセリングを進めなければなりません。 受験者の多くは、自責を聞こうとしながらも経緯表に移り、最後は睡眠を取ってもらうという、これまで練習したパターンで進めてしまう方が多かったように思います。これは戦術戦略ではなく、パターンを適用してるだけなので、基礎講座のレベル(CPSレベル)とあまり変わらない対応になってしまいます。 UCPCレベルは、相手の話に耳を向けながらも、もう一つ違う頭で戦略的に俯瞰しながらカウンリンセグを進められなければなりません。そこを意識しながら練習を積んでいきましょう。

4.自責の扱い方を鍛える
自責を経緯表で説明していこうとする人もいましたが、「3段階だから自責を持って当然」という理屈の説明はそれほど強いパワーを持ちません。 自責の基本的な対応は、きちんと要約しつつ細かく聞いて、その苦しさに十分共感しつつ、懺悔効果を狙うことです。その述懐の中でクライアント自身が、「自分を責め過ぎる必要はないな…」と気づくことは、オッケーですが、こちらからあなたの責任ではないよと押し付けると逆効果(わかってくれない)になってしまいます。どうしても3段階の理屈で説明したい人は、理屈を説明した後できちんと事例でフォローすると良いでしょう。 合格者の中には、クライアントの自責をしっかり受け取り、それを深め、共感することがとてもきちんとできた方がいました。その共感のパワーに、試験に携わっていたスタッフが陰でもらい泣きしたほどです。私たちが目指したい支援の在り方です。

5.死にたいという気持ちの確認
ほとんどの受験者は死にたいという気持ちを上手に確認していましたが、クライアントが「死が近い感じ」を表現した時にそれを正しく受け取っていない方も結構いらっしゃるように思いました。 お亡くなりになった方の仕事を引き継いているクライアントですが、多忙な職で亡くなった前任者を、引き継ぐことになった人は、もしかしたら自分もその多忙な仕事で、死ぬかもしれないという不安を抱えることが多いのです。コロナなどで元気な人が急になくなるなどの現象もこの「人(自分を含めて)の強さ全体」に対する不安、無力感を強めていると思ってください。明確な死にたいという気持ちにならなくても、生きる力が危うい感じになっているのはよく理解していただくと良いと思います。